2009年度石本基金若手研究助成 結果報告

2009年度の「石本基金 若手研究助成」審査結果は、以下のようになりましたのでご報告いたします。

審査員:金子洋之(作業部会長) 岡本賢吾 出口康夫 加地大介

審査結果:全5件の応募のうち、以下の3件を採用、1件を次点とした。

採用者及び研究題目

助成金額:1名につき35万円(期間:2009年4月−2011年3月)

審査経過

 今回応募者は全体で5名であった。各応募者の研究計画を審査委員に回し、審査委員ごとの評価を出した上で、全体の総合評価を行うという従来の方式を踏襲して審査を行った。その結果、応募者数が比較的少なかったものの、若手助成の趣旨を生かすという意味で、助成枠いっぱいの三名を採用するということに決定した。なお、この決定は、運営委員会の承認を得た上で実行に移されている。以下、今回採用の三名の研究計画について簡単に触れておきたい。

 山田氏の研究計画は、内在主義vs外在主義という現代認識論の大きな争点について、両者の正当化条件を排他的なものとは捉えず、知識評価における多元性に着目して調停を目指すというものであり、アイデアの斬新さ、論点の広がりなどの点で各審査委員から高い評価を得た。また、これまでの自身の研究を踏まえた計画であり、準備状況も十分だという判断がなされた。

 四津氏の研究計画は、発語内行為に関して規約が本質的か否かをめぐる論争に対して、<表向きの態度>と<社会的位置づけ>という概念を持ち込むことによって、新たな発話行為の分析を提唱するものであり、着眼点の新しさ、準備状況等について、これまた各委員から高い評価を得ている。

 入江氏の研究は、後期ウィトゲンシュタインの数学論の解明というきわめて野心的なものであり、独自の視点もあるものの、研究の焦点が絞り切れていないのではないかという疑念、あるいは二年という研究期間でカバー仕切れるのかといった疑問が上がった。しかしながら、これらの点については、問題を多少絞ることによって一定の成果は期待できると判断し、採用という結論にいたった。

「若手研究助成」作業部会長 金子洋之

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