年次大会 > 第55回(2022年度)大会 サテライトイベントのご案内
日本科学哲学会第55回(2022年度)大会
サテライトイベントのご案内
日本科学哲学会第55回大会のサテライトイベントとして、以下の3つの催し物がございます。
各催し物は以下の日時・会場で行われます(3つの催し物は同一の会場で続けて行われます)。
- 日時:12月2日(金)13:00~19:00
- 会場:名古屋大学 東山キャンパス 全学教育棟本館 4階 SIS4教室
ご都合のつく方は、ぜひ参加ください。
サテライトイベント
冗談を評価する
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日時:13:00~15:00
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会場:名古屋大学 東山キャンパス 全学教育棟本館 4階 SIS4教室
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オーガナイザ:遠藤進平
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提題者:遠藤進平(一橋大学)、難波優輝(newQ、立命館大学衣笠総合研究機構 客員研究員)
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企画趣旨:
よい冗談とわるい冗談とがある。そうだとすれば、冗談は美学そして倫理の問題になる。「おもしろいからよい」のだとすれば、美的な基準に基づく評価がなされており、「誰も傷つけていないからよい」だとすれば、道徳的な基準から評価がなされているからだ。冗談が美学や倫理の問題なのだとすれば、冗談は言語の問題にもなる。当の冗談がいったい何を言っているのかという意味の評価(すなわち内容の把握)をまったく経由しないで美的・倫理的な評価を下すことは考えにくいからだ。
ワークショップ「冗談を評価する」は、冗談を多種多様なアプローチで解明するその端緒として、言語・美学・倫理という視座から検討を行う。美学・倫理分野(難波講演)では、冗談の有害さゆえにケアになっているようにみえる「有害な冗談的ケア」(不謹慎な冗談で苦境を笑い飛ばす等)を取り扱うことで、冗談に抜き難く存在する「有害さ」が美的よさと道徳的よさにどう関わっているのかを分析し、冗談の善用の可能性について提起したい。言語分野(遠藤講演)については、従来の意味論・語用論の枠組みではとらえられない冗談の諸相を指摘したうえで、「貢献」「賭博」といったアイディアをとりこんだ意味論を展開したい。
サテライトイベント
哲学のための数学
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日時:15:00~17:00
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会場:名古屋大学 東山キャンパス 全学教育棟本館 4階 SIS4教室
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オーガナイザ:大塚淳
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提題者:大塚淳、久木田水生、大西琢朗
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企画趣旨:
哲学をやっていると、色々なところで論理や集合、さらには位相・群・圏などの数学的知識が必要になってくる。しかしこうした基礎数学を学ぶカリキュラムを備えている哲学科は稀であり、多くの場合、独学や勉強会で身につけるしかない。ところが数学の教科書は(当然)数学徒向けに書かれており、文系の学生が自力で読むのは難しい・・・こうした状況をなんとか改善すべく、「哲学者のための数学(Maths for Philosophers, M4P)」プロジェクトでは、哲学徒のためはどのような数学が必要で、それをどのように教えていけばよいかを検討してきた。本サテライトイベントではその活動を紹介し、複数のメンバーによる提題を行うとともに、参加者とともに、哲学のためにどのような数学教育が必要かを考えていきたい。
サテライトイベント
教科書から考える哲学入門教育
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日時:17:00~19:00
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会場:名古屋大学 東山キャンパス 全学教育棟本館 4階 SIS4教室
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提題者:笠木雅史、藤川直也
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企画趣旨:
今秋、『バッドランゲージ』、『知識とは何だろうか』という言語哲学、認識論の入門書がともに翻訳された。これらの教科書が従来の該当分野の教科書と異なるのは、現実の社会の中の問題を言語哲学、認識論という観点から論じ、応用哲学を重視した構成になっていることである(また、練習問題が付されているなど、教育上の配慮もこらされている)。こうした応用哲学を重視する潮流は、もちろん近年哲学自体の大きな運動となっており、これらの教科書はそうした潮流を反映したものと言うことができる。そして、この潮流は、哲学教育の方向性にも大きな影響を与えつつある。
本イベントは、今後の哲学入門教育のあり方を、哲学における基礎理論と応用理論の関係を踏まえつつ考察することを目的とする。このためまず、これらの入門書の訳者が、どのように内容、構成の面でこれらの教科書が従来のものとは異なるのか、そこでは基礎理論と応用理論の関係がどのようなものとして捉えられているのかについて解説する。その後、哲学における基礎と応用の関係、そして日本の大学制度や社会的状も踏まえ、今後の哲学入門教育の方向性について、フロアの参加者もまじえ、ともに議論を行う。
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